今回の「幻の大仏鉄道遺構」は明治31年から僅か9年間、加茂と奈良間9.9qの路線で、当時の鉄道会社「関西(かんせい)鉄道」の通称「大仏鉄道」が走っていました、その、風雪に耐え残っている数ある遺構の中で、観音寺橋台、松谷川隧道、鹿川隧道を、又、「当尾(とうの)の里」は木津川市加茂町東南部に位置し奈良県境に接する里で、その「当尾の里」の石仏群と浄瑠璃寺を訪れました。

薄曇りの中、JR・加茂駅東口広場に174名の参加者を迎え、9時55分恒例の出発式を終え元気にスタートしました。
出発して間もなく、関西本線(大和路線)沿いに展示されている、関西本線で急行列車や特急列車を引いて走っていたこともある、昭和12年製の蒸気機関車「C57 56(貴婦人)」の名で親しまれた、その機関車の前でスタッフの解説を聞き、加茂町市街地を後にして田園地帯へ、広々とした田園風景を望みながら石部川沿いを南へ進み、関西本線の橋台と並行して石積みの橋台のみが残る「観音寺(かんおんじ)橋台」へ、ここでもスタッフの解説を聞く中、タイミングよく関西本線の電車が通過するのを見て感激。
ここから「大仏鉄道遺構」から逸れて、加茂町高田地区集落内の一般道及び雑木林や竹籔が茂る間の狭い道などを進み集落を過ぎて視界が大きく開けて、のどかな里山風景が広がる、田園地帯の田畑や高田川沿い及び雑木林などの狭い道を長蛇の列は約1.5q進み、県道752号に出て「大門仏谷(だいもんほとけだに)摩崖仏まで0.6q」の標識を見て、この辺りから「当尾の里」に入り、県道から一般道に進み、現在、休止している「加茂青少年山の家」へ、ここで列詰め小休憩を取りました。

ここから、山間部に入り樹木に覆われた急な上りの坂道を進む中、路側に「大門の仏谷」の標識が、道路から左方向の谷間の向こうに、木の間から巨大な花崗岩に丈六(約2.5m)の如来形坐像の「仏谷阿弥陀磨崖仏」が見え、当尾の石仏群中では最大のとの事で、足を止め感慨深げに暫く眺め見入りました。
さらに、鬱蒼と茂った杉・檜や雑木林の山間の上りの道を進み人里離れた大門地区の山中に鎮座する春日神社前に「大門石仏群」が現れ、この石仏群は、竹藪の中や細い山道にあった石仏、石塔などを集めて安置しなおしたもので、双体仏や地蔵仏等々変化に富んだ数えきれないほどの多くの石仏が置かれていて、室町時代以降の物との事です。
石仏群を後にして更に山間の道を進み、東小上地区集落の中ほどにある「首切地蔵」へ、案内板によると「阿弥陀石仏」で、当尾の在銘石仏中最古の弘長2年(1262)の物で、首のくびれが深く切れて見えるためともいわれている石仏でした。
さらに、そこから集落を下って県道725号沿いの樹木に囲まれた中の大きな岩に彫られた「藪中三体仏」が、案内板には「やぶの中三尊」と書かれ、十一面観音菩薩立蔵と地蔵菩薩立像及び阿弥陀如来坐像の3体が彫られ、この石仏も1262年彫刻の最古のものでした。
それらの珍しい石仏を見て、少し進んで県道725線沿いの「浄瑠璃寺」手前の、空き地広場に11時30分頃到着、ここで昼食休憩を摂りました。
昼食を済ませた参加者は自由行動で「浄瑠璃寺」へ、寺号は薬師如来の浄土である「浄瑠璃世界」からついたもので、緑の低木に挟まれた約100mの狭い参道を進み山門から境内に入り、静寂な雰囲気に包まれた庭園は、浄土の池「宝池」を中心にして、国宝の本堂(九体阿弥陀堂)、三重塔(薬師如来像を安置)や綺麗に整備された回遊式庭園等を散策しました。

12時30分「浄瑠璃寺」を後にして、山間の府道752号の緩やかな坂道を北へ下り進み、途中、左側に樹木に囲まれて、立派な屋根石をもった像高76pの「長尾阿弥陀如来坐像」の石仏を見、さらにしばらく進むと、無縁墓や石仏が多く集められた「西小墓地石仏群」を見ながら、緩やかな府道の坂道を下り進み、やがて視界が開け「当尾の里」を後にして、長くなった列は、田園風景が広がる長閑な山里の風景を望みながら約2q進んで府道44号と交差する浄瑠璃寺口交差点へ、ここで若干の列詰め休憩を取りながら、方向転換し西南方面へ府道44号(奈良加茂線)の緩やかな上りの歩道を、列は淡々と約3q進んで梅谷交差点へ、ここから再び「大仏鉄道遺構」ルートに入り、今は現存しないが「井関川橋梁跡」の交差点を左折して梅美台住宅団地内に入り、「梅美台公園」でトイレと暫しの休憩を取りました。
公園を後にし、少し進んで梅美台西交差点の北側に残る、現在は閉鎖されているレンガ造りの「松谷川隧道」へ、色の違うレンガが交互に配置されている珍しい隧道で、スタッフの解説に興味深く耳を傾け、府道44号を南へ「タッタタワー」を右に見て、緩やかな上りの歩道を進み、やがて、奈良市に入り道路は県道44号に変わり、暫く進んで梅谷口交差点を西へ下り、農業用水路の目的で作られた「鹿川(しかがわ)隧道」へ、現在も利用されている石積みの重厚な造りの隧道を見て、「大仏鉄道遺構」を後にして、その水路沿いの狭い道を西方面へ山間に田園風景が細長く広がる中を進み、15時頃JR・平城山駅にゴールしました。
昨年は、あいにくの雨天で少ない参加者でしたが、今回、再チャレンジとして実施したもので、天候にも恵まれ多くの参加者を迎え「当尾の里」を楽しんでいただき、無事18qを元気に完歩しました、有り難うございました。